1991年、写真家・篠山紀信とのタッグによって世に送り出された写真集『Water Fruit』は、当時の日本社会に激震を走らせた。社会現象としての「ヘアヌード」という言葉ばかりが一人歩きしがちだったが、時を経た今、あの作品群を改めて見返すと、そこにあるのはセンセーショナリズムではなく、極限まで磨き上げられた一筋の美学に他ならない。
自らの身体をひとつの「表現の媒体」として潔く晒し、自然光の中で見せた神聖なまでの佇まい。当時のタブーや固定観念を軽々と打ち破ったあの決断は、日本の写真史や女性の表現における自由度を著しく押し広げる契機となった。時代の波に飲み込まれることなく、作品としての強度を保ち続けたことは、彼女のクリエイターとしての覚悟の深さを物語っている。