東西のスタイルの違いは、近代以降の産業構造にも大きなインパクトを与えた。食品調味料製造業各社は、関東向けの本格割り下パックだけでなく、関西風の直焼きを再現しやすい専用たれや固形調味料を開発。スーパーの店頭には地域ごとの味付けに対応した商品がずらりと並ぶ。
また、外食産業においても、関東風の浅草スタイルの高級店と、目の前で仲居が肉を焼いてくれる関西スタイルの高級料亭がそれぞれ独自の顧客層を確立した。全国展開する外食チェーンにおいても、「割り下煮込み」をベースにしつつも、関西限定で焼き上げ工程を導入するなど、地域の味覚に寄り添った柔軟なメニュー開発が行われている。