茎と茎の間が間延びし、だらしなく伸びてしまった「徒長株」は、放置しても元の引き締まった姿には戻りません。日照不足や水分の過多によって一度伸びた節間を元通りに縮めることは不可能なため、生長期(3〜5月、または9〜10月)に思い切った切り戻し(胴切り)を行うことが唯一の解決策となります。
仕立て直しの具体的な手順は極めて合理的です。まず、消毒した清潔なハサミやカッターを用意し、生長点を含む先端から約3〜5cmの位置で茎をスパッと切断します。カットした穂木(頭の部分)の下葉を2〜3段分丁寧にもぎ取り、茎の長さを2cmほど確保します。この切り取った穂木は、風通しの良い日陰で3〜5日ほど切り口を乾燥させた後、新しい多肉植物用土に挿します。水やりは10日前後控え、発根を確認してから徐々に再開するのが失敗を防ぐ鉄則です。
切り戻された親株の元茎側も、決して捨ててはいけません。葉を数枚残した状態で日当たりの良い場所に置いておけば、わずか2〜3週間で切断面の脇から複数の新しい子株(不定芽)が一斉に吹き出します。これにより、1本のひょろ長い茎からボリューム感のある群生株へと美しくリニューアルさせることが可能です。