ネット上の情報では「髪をかきあげる=自信満々のナルシスト」と一括りに語られるケースが散見されます。しかし、臨床心理学的な見地から検証すると、これは半分正解で半分誤りです。
確かに、鏡やガラスの反射を見るたびに髪を整えるようにかきあげる人物にはナルシスト心理(自己愛傾向)が強く働いています。彼らは周囲からの「見られ方」を過剰に意識しており、相手との対話よりも「自分がどう映っているか」に意識が集中しています。
しかし、相手の目を見ながら会話の合間にかきあげる行為は、ナルシシズムではなく「自己開示の準備運動」です。顔周りの遮蔽物を取り除いて表情を明るく見せようとする前向きな姿勢であり、自己愛の押し付けとは本質的に異なります。動作のベクトルが「自分の姿(鏡)」に向いているのか、「対話相手」に向いているのかを切り分ける視点が欠かせません。