木村多江さんの子育てを語る上で欠かせないのが、妊娠中に直面した「切迫早産」という過酷な試練です。2005年に結婚した夫の鈴木文彦氏との間に待望の命を授かったものの、妊娠初期から重度の切迫早産と診断され、即座に長期入院を余儀なくされました。
当時のインタビューや手記で語られた内容は、想像を絶する過酷さを物語っています。
「ベッドの上から一歩も降りることができず、トイレも食事もすべて寝たきりの状態でした。少しでも動けば赤ちゃんが危ないという恐怖の中、天井を見つめながら点滴の落ちる速度を数える毎日でした」
入院生活は約8ヶ月から9ヶ月にも及び、筋肉は衰え、精神的にも極限状態に追い込まれる日々。その苦境を支え抜いたのが、夫の鈴木文彦氏でした。多忙な広告代理店業務の合間を縫って毎日のように病院へ通い、妻を励まし続けたといいます。この生死を分けるような壮絶な経験があったからこそ、無事に娘が産声をあげた瞬間の喜びは、木村さんにとって生涯忘れられない原体験となりました。