マグネットがくっついて取れないトラブルは、対象となる磁石の形状や設置されている母材によって、取るべきアプローチが明確に分かれます。誤った手法を選択すると、壁紙の剥離や車のボディ塗装の破損など、取り返しのつかない二次被害を招きかねません。
特に問い合わせの多いマグネットフックの外し方においては、構造上の特性を活かすのがコツです。多くのフック型マグネットは、金属カバー(ヨーク)によって磁力を底面に集中させています。正面から引っ張るとカタログスペック通りの最強の抵抗を受けますが、フック金具の先端を横や上方向にグッと傾けることで、底面の一端が持ち上がり、隙間に空気が入ってテコの原理で簡単に外れます。
一方、長期間貼りっぱなしにされたマグネットシートの車からの剥がし方は、磁力そのものよりも「ゴムの熱硬化」と「塗装面への焼き付き」が主原因です。寒冷期に硬化したシートを無理にめくると破れて千切れてしまうため、40℃前後のぬるま湯をかけるか、ドライヤーの温風を遠目から当てて柔軟性を取り戻させた後、非金属のプラスチックヘラやポイントカードなどを角から滑り込ませて徐々に剥離させるのが車体を痛めない鉄則です。