読者を最も仰天させたエピソードといえば、名門部族の令嬢であるはずのプルセナが迎えた奴隷落ちの展開でしょう。華々しい学園生活を終えた後、なぜ彼女は首輪を嵌められ、市場で売りに出される羽目になったのか。その真相は、悲劇的であると同時に彼女らしい欲望の暴走にありました。
プルセナ 奴隷落ち 理由の核心は、故郷である大森林に帰還した直後の大失態です。大学を卒業したプルセナは一度は部族へ戻ったものの、折からの食糧難で村全体が配給制限を行っていた最中、部族の聖域である食料庫へ忍び込み、蓄えられていた乾燥肉を片っ端から食べ尽くしてしまったのです。部族の掟を破り、飢餓に苦しむ同胞の命綱を私利私欲で奪った娘に対し、族長である父ギュエスは大激怒。「我が娘にあらず」と絶縁を言い渡し、懲罰と部族への賠償としてプルセナを奴隷商人に売り払うという厳罰を下しました。
一方、相棒であるリニアもまた、商売の失敗と詐欺被害による巨額の借金苦から自ら奴隷落ちしており、奇しくも2人は別々のルートから奴隷身分へと転落。シャリーアの街でリニアを買い取っていたルーデウスの前に、今度はプルセナが首輪を付けられて引き合わされるという喜劇的な再会を果たしました。ルーデウスによって即座に買い取られたプルセナは、こうしてグレイラット家の居候兼使用人として保護されることになったのです。