大手空調機器メーカーの保守部門や修理受付窓口の報告によると、「暖房が故障した」と連絡が入る問い合わせのうち、約30%〜40%は故障ではなく霜取り運転や設定の不一致によるものであることが分かっています。SNSや各種相談コミュニティに寄せられる生の声からも、ユーザーが直面する生々しい実態が浮き彫りになっています。
寒冷地や急激な冷え込みに見舞われた地域では、「突然エアコンから『プシュー』という異音がして冷風が出始めた」「故障ランプが点滅して温風が止まった」という投稿が急増します。これは故障ではなく、前述した霜取り運転特有の動作音と制御です。霜取り運転は通常5分〜15分程度で自動終了し、再び力強い温風が吹き出しますが、知識がないと「壊れた」と誤認して電源を何度もオン・オフしてしまい、余計に霜取りを長引かせる悪循環に陥る事例が散見されます。
また、現場のサービスエンジニアが指摘する盲点として「カーテンレールや家具による空気循環の遮断」があります。エアコンの真下に背の高い家具を配置していたり、厚手のカーテンが室内機の吸込口付近を覆っていたりすることで、吹き出した温風が即座に跳ね返ってセンサーを刺激し、部屋が冷えているのに暖房が止まる事例が都市部の単身世帯を中心に多発しています。