「日本全国どこに行っても、8を押せばフジテレビ系列が見られる」と思い込んでいると、地方移動時に強烈な違和感に直面します。その代表格が、愛知県・岐阜県・三重県の中京広域圏と佐賀県です。
中京エリアをカバーするFNS系列局・東海テレビ放送(呼出符号:JOFX-DTV)のリモコンキーIDは、驚くべきことに「1」に設定されています。名古屋のホテルに宿泊し、NHK総合を見ようとしてリモコンの「1」を押した出張者が、突然『めざましテレビ』や『ノンストップ!』の映像が流れて困惑する現象は、SNSや掲示板でも定番の「ご当地カルチャーショック」として語り継がれています。
なぜ東海テレビは「1チャンネル」を獲得できたのか?
この異例の配置が生まれた背景には、1958年に開局した東海テレビのアナログ親局がVHF第1チャンネルであったという歴史的経緯があります。名古屋地区では、NHK総合が「9」、NHK教育が「2」、中部日本放送(CBCテレビ)が「5」を使用していました。
地デジ化に伴う全国キーID調整の場において、NHK総合は原則として全国で「1」を統一取得する方針を打ち出しました。しかし、東海テレビ側は「開局以来半世紀にわたり『1チャンネルの東海テレビ』として地域住民に定着しており、番号の変更は視聴者に莫大な混乱と不利益をもたらす」として強硬に反対。当時の経営陣と技術陣が総務省や関係各所との折衝を重ねた結果、特例として東海テレビが「1」を死守し、中京地区のNHK総合は「3」に収まるという決着をみたのです。これが東海テレビ 1チャンネルの真相です。
佐賀テレビが「3チャンネル」を採用した複雑な電波事情
もう一つの例外が佐賀県のサガテレビ(STS)です。同局のリモコンキーIDは「8」ではなく「3」に割り当てられています。佐賀県内では隣県である福岡県の電波が強力にスピルオーバー(越境受信)しており、福岡のFNS系列局であるテレビ西日本(TNC)がすでに「8」を使用していました。佐賀県民の多くがTNCとサガテレビの両方を受信できる環境にあったため、番号の重複競合を回避し、空番となっていた「3」をサガテレビが選択したという現場の受信事情が存在します。
なお、近畿広域圏(大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・滋賀県・和歌山県)を担当する関西テレビ リモコン何チャンネルかという疑問については、アナログ時代と同じくキーID「8」を採用しているため、関西では迷わず「8」を押せば『カンテレ』の放送を視聴できます。