セイヨウオトギリソウ含有食品とは?薬を無効化する危険ハーブの真相

セイヨウオトギリソウ含有食品とは?薬を無効化する危険ハーブの真相

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処方薬の添付文書やお薬手帳の警告欄に突如として現れる「セイヨウオトギリソウ含有食品」という硬い文字列。その正体は、ヨーロッパから中央アジアを原産とするオトギリソウ科の多年草「セントジョーンズワート(学名:Hypericum perforatum)」を原材料に用いた健康食品全般を指す。

初夏に鮮やかな黄色い花を咲かせるこの植物は、古くから欧州の伝統医療において「サンシャインハーブ(太陽のハーブ)」とも呼ばれ、精神の安定や軽度の気分の落ち込み、不眠を和らげる民間療法薬として重宝されてきた。ドイツをはじめとする欧州諸国では、医薬品として厳格な品質管理のもとで医師から処方されるケースも多い。

一方、日本における法的位置づけは大きく異なる。厚生労働省の区分においてセイヨウオトギリソウは「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」には収載されておらず、「いわゆる健康食品(サプリメント・茶葉)」として食品流通している。ドラッグストアの健康食品コーナーやネット通販、オーガニック専門店のハーブティーコーナーで「気分を前向きにする」「穏やかな夜をサポートする」といったキャッチコピーとともに、誰でも手軽に購入できるのが実情だ。

問題は、この身近なハーブが「食品」という無害そうな看板を掲げながら、医療用医薬品の効き目を根底から覆す強烈な薬理作用を秘めている点にある。現場の薬剤師が「薬局の窓口で必ず確認する要注意成分の筆頭」と口を揃える背景には、人体の代謝システムを根底から狂わせる明確な生物学的理由が存在する。

前田 葵
著者

前田 葵

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。