ネット上の検索や芸能ゴシップで頻繁に浮上するのが、「寺島しのぶと松たか子は親戚なのか?」「二人は絶縁していて共演NGなのではないか?」という疑問です。報道各社の過去記事や家系図を検証すると、事実と虚構が入り混じっていることがわかります。
まず血縁・親戚関係についてですが、松たか子の実家である「高麗屋(松本幸四郎家)」と寺島しのぶの実家「音羽屋(尾上菊五郎家)」は、歌舞伎界の歴史の中で幾度となく姻戚関係を結んでいます。系譜をたどると、九代目市川海老蔵(十一代目市川團十郎)や初代松本白鸚などを介した遠い親戚にあたり、梨園の名門同士として浅からぬ縁で結ばれています。
一方、ネット上で囁かれる「絶縁説」や「共演NG説」の引き金となったのは、松たか子の兄である十代目松本幸四郎(当時・市川染五郎)と寺島しのぶの過去の交際報道です。1990年代から2000年代初頭にかけて二人の交際と破局がメディアで大きく取り沙汰され、寺島しのぶが2003年に出版した著書の中での赤裸々な心情描写が話題を呼びました。この出来事によって「高麗屋と音羽屋の間に確執が生まれた」「松たか子との関係も断絶した」という憶測がひとり歩きしたのです。
しかし、舞台関係者や歌舞伎興行の記録を確認すると、音羽屋と高麗屋は歌舞伎座の興行で常に共演を重ねており、両家が絶縁状態にあるという事実は存在しません。寺島しのぶと松たか子個人に関しても、映画や演劇のフィールドにおいて互いにリスペクトし合うプロフェッショナルな関係であり、メディアやネット掲示板がセンセーショナルに書き立てた「泥沼の絶縁劇」は、芸能界特有の過剰な尾ひれがついたゴシップと判断するのが妥当です。