「通っているのに全然体重が落ちない」「むしろ少し太った」という口コミは、知恵袋や大手口コミサイトでも頻繁に見受けられます。加圧トレーニングに期待を寄せる女性たちの間で、なぜこのような評価の断絶が生まれてしまうのでしょうか。現場の指導者への取材から、決定的な構造的原因が浮かび上がってきました。
まず直視すべき現実は、加圧トレーニングそのものによる直接的な消費カロリーは決して多くないという事実です。1回20分〜30分程度の低負荷運動で消費されるエネルギーは、せいぜい100〜150kcal前後。これはおにぎり1個分にも満たない数値です。加圧トレーニングのダイエット効果とは、「運動中に脂肪を燃やす」ことではなく、「成長ホルモンを分泌させて体内の脂肪を遊離脂肪酸へ分解し、その後の24〜48時間にわたって基礎代謝と脂肪燃焼効率を底上げする」という時間差のメカニズムにあります。
現場のパーソナルトレーナーは次のように証言します。「『加圧をやっているから大丈夫』という心理的油断から、運動後にスイーツを食べてしまったり、日常の歩数が減ってしまったりする方が少なくありません。加圧で脂肪が分解されて血中に溶け出しても、その後にウォーキングなどの有酸素運動を行わなかったり、オーバーカロリーな食生活を続けていれば、遊離した脂肪は再び体脂肪へと戻ってしまいます」。これが、ネット上で囁かれる「痩せない理由」の冷酷な真相です。
一方で、プロポーションの引き締めや美肌・アンチエイジングに対する女性向けメリットは極めて高い実効性を誇ります。血流制限状態から一気に除圧される際、血管内皮細胞から一酸化窒素(NO)が多量に産生され、血管の弾力性が回復して毛細血管の隅々まで新鮮な血液が行き渡ります。この作用により、頑固な冷え性や脚のむくみが劇的に改善するケースが多く報告されています。さらに、成長ホルモンの刺激によって肝臓から分泌される「IGF-1(インスリン様成長因子-1)」が皮膚のターンオーバーを促し、肌のハリやキメが整うという美容的恩恵は、通常の高重量ウエイトトレーニングでは得られにくい独自の強みと言えます。