こうした状況に決定的な終止符を打つきっかけとなったのが、2007年の本社神輿「宮出し」における大混乱でした。神輿の上に乗る行為は本来、神霊を足蹴にする冒涜とされ禁止されていましたが、一部の担ぎ手グループが制止を無視して神輿に登り、乱闘や威嚇を繰り返しました。
この事態を重く見た警視庁は、東京都迷惑防止条例違反などで神輿乗りの関係者を連続逮捕。浅草神社と奉賛会は翌2008年、祭りの象徴である「本社神輿の宮出し中止」という苦渋の決断を下しました。700年近い歴史の中で前代未聞となったこの措置は、地元関係者や浅草っ子に大きな衝撃を与えました。
さらに、2011年に「東京都暴力団排除条例」が施行されたことで、祭礼からの暴力団排除は法的な裏付けを得て一気に加速します。神社の敷地内や公道での暴力団活動、利益供与の禁止が明文化され、祭りは「無法地帯」から「法と秩序の場」へと舵を切ることになりました。