フルーチェがなぜ牛乳を混ぜるだけで固まるのか。その秘密は、果物に含まれる食物繊維の一種であるペクチンと、牛乳に含まれるカルシウムの化学反応にある。液体中のペクチンがカルシウムイオンと結合して網目構造を形成し、水分を抱え込むことで独特のぷるぷるした食感が生まれる仕組みだ。
だが、この理論を実際の製品に落とし込む作業は困難を極めた。ペクチンの濃度や酸度のわずかな違いで、固まらなかったり逆にカチカチになったりしてしまう。開発チームは連日、部屋中に充満するフルーツの香りのなかで何百回もの試作を繰り返し、どんな牛乳でも絶妙なとろみが再現できる黄金比率を導き出した。