噂の真偽を確かめるべく、超満員の熱気に包まれた日本武道館へ向かった。開場前、九段下の坂道を埋め尽くすファンの層は極めて多彩だ。80年代のデビュー当時からの筋金入りのロックファンはもちろん、洗練された白髪スタイルに憧れる若い男性や、ドラマ作品で彼を知ったファミリー層までが長蛇の列を作っていた。
館内に足を踏み入れると、天井までびっしりと埋まった観客席の光景が目に入る。ガラガラなどという気配は微塵もない。ライブが始まると、爆音とともにステージ上に躍り出た男のシルエットに会場全体が揺れた。60代を迎えてなお研ぎ澄まされた肉体から放たれるヴォーカルは圧倒的で、名物の「シンバルキック」が見事に決まった瞬間、武道館の空気は爆発的な歓声で満たされた。現地で体感するその迫力は、ネットの根拠のない噂を一瞬で吹き飛ばすほどの説得力を持っていた。