学内の教育課程の中でも、受験生から最も熾烈な競争倍率を集める看板分野がデザイン・建築学課程です。一般に「美大・芸大のデザイン」と「工学部の建築」は別組織として切り離されるケースが大半ですが、同大学では同一の学術環境で両者が有機的に交差しています。
京都市左京区に位置する松ヶ崎キャンパスを訪れると、その特異な学風が肌で感じられます。歴史的建造物が並ぶ落ち着いた文教地区にありながら、アトリエやデザインラボには夜遅くまで模型製作やデジタルファブリケーションに没頭する学生たちの熱気が満ちています。キャンパス内には展示スペースやギャラリーが自然に溶け込み、学生時代から批評空間に晒される環境が構築されています。
「工繊の建築は、構造計算や法規といったハード面だけでなく、歴史文化や意匠論に対する洞察の深さが圧倒的です」と語るのは、同課程を修了して大手組織設計事務所で活躍する現役建築家です。「京都という街全体が生きた建築の教科書であり、歴史的町並みの保全から最新のパブリックスペース設計まで、理論と実装をシームレスに行き来する経験は他大学では得られません」。