一見すると利点ばかりに思える分冊版だが、購入の進め方によっては「かえって損をする」という罠も潜んでいる。賢く楽しむためには、デメリットとコストの仕組みを正確に把握しておく必要がある。
最大の注意点は、作品を一気に読破しようとした際の総額費用だ。例えば、全100話の完結作品を分冊版(1話60円)で全話買い揃えると6,000円かかる。しかし、同じ作品の単行本(1冊10話収録・500円)を10冊まとめ買いした場合は5,000円で済む。つまり、最初から最後まで全巻を揃える前提であれば、単行本版を購入した方が1割〜3割ほど安く抑えられる計算になるのだ。
さらに、分冊版には単行本特有の「描き下ろしカバーイラスト」や「巻末の作者コラム」「コミックス限定の加筆修正」が含まれないケースが多い。作品のコレクターや熱狂的なファンにとっては、コンテンツの満足度に差が出る可能性があることも覚えておきたい。