Q1:瀬織津姫と天照大神は結局のところ同一人物なのですか?別神なのですか?
A1:神道神学上の結論としては「同体異名(表裏一体の存在)」と解釈するのが最も妥当です。正宮に鎮座する天照大神が「和魂(調和・恵みをもたらす太陽の光)」であるのに対し、荒祭宮や廣田神社に祀られる荒魂(瀬織津姫)は「物事を激動させ、罪穢れを打ち破る峻烈な力」を象徴しています。表裏の関係であり、どちらが欠けても神道の世界観は成り立ちません。
Q2:古事記から消されたのに、なぜ現代まで名前が残っているのですか?
A2:平安時代に朝廷が定めた国家法制『延喜式』に『大祓詞』が公定文として固定されたことが決定打となりました。正史から神統譜としての名は消せても、宮中から全国の神社で年に二度(6月と12月)奏上される祝詞の言霊までは改竄しきれず、結果として千数百年の時を超えて口承され続けることになったのです。
Q3:なぜ龍神の化身と言われるのですか?蛇神や弁財天との違いは?
A3:大祓詞にある通り、瀬織津姫の神威は「激流となって山から海へ穢れを押し流す水の力」そのものです。古代日本人にとって、山から海へとうねり下る急流や立ち上る水煙、雷雨を伴う滝はまさに「龍」そのものに見えました。中世以降に弁財天(ヒンドゥー教のサラスヴァティー=聖なる河の女神)や宇賀神(蛇神)と習合したのは、この原初的な水神・龍神としての性格が完全に一致していたためです。