「夜8時を過ぎたのに、駅前で候補者がまだ選挙活動をしていた」という目撃談が後を絶ちません。実はこれらは違法行為ではなく、公職選挙法の隙間を縫った合法的な選挙運動の延長です。
公職選挙法が制限しているのはあくまで「拡声器の使用時間」であり、「選挙運動そのものの時間」を一律に夜8時で禁止しているわけではありません。そのため、以下のような手法を用いることで、夜8時以降も有権者へのアプローチが継続されます。
- 地声(肉声)による辻立ちと挨拶:マイクを通さず、候補者本人が肉声で帰宅途中の有権者に語りかける行為は夜8時以降も可能です。
- 法定ビラ・チラシの手渡し配布:証紙が貼られた選挙運動用ビラを通行人に直接配布する活動は、時間制限を受けません。
- 握手や個別対話:通行人と直接言葉を交わし、支持を訴える対面コミュニケーションも拡声器を使用しないため適法です。
- 屋内での個人演説会:公民館やイベントホールなど屋内で開催される個人演説会は、施設の利用規則の範囲内であれば夜8時以降にマイクを使用しても公職選挙法上の拡声器規制には抵触しません。
さらに近年では、夜8時以降に候補者が事務所やスタジオからSNSのライブ配信や動画投稿を行うネット選挙運動が定着しています。2013年の公選法改正以降、インターネットを利用した選挙運動は投票日当日を除いて原則24時間可能となっており、夜間の情報発信は完全にデジタル空間へと移行しています。