フロントマンである後藤正文(Vo/G)が後年のインタビューや手記で明かした制作秘話によると、『リライト』の誕生は決して順風満帆なものではありませんでした。急速に高まる世間からの注目とメジャーシーンでの重圧のなか、「自分たちの音楽的アイデンティティを保ちながら、どこまで大衆の心へ突き刺さるポップネスを追求できるか」という極限の葛藤から生まれた楽曲です。
とくに象徴的なリライト歌詞の意味を読み解くと、単なるアニメの筋書きのトレースではなく、表現者・後藤正文自身の「無力感」と「現状打破への意志」が赤裸々に刻まれていることが浮き彫りになります。
「くだらない超幻想 忘れられぬ存在感を」と歌い出し、サビで「消して リライトして / くだらない超幻想を / 意味のない想像も / 君の名を穿つように」と絶叫するリリック。そこには、過去の過ちや取り返しのつかない現実を背負いながらも、自らの存在を肯定するために未来を書き直そう(Rewrite)ともがく生々しい人間像が描かれています。
この「等価交換の法則」に抗い、身体を取り戻す旅を続けるエルリック兄弟の過酷な旅路と、若者が抱くアイデンティティへの焦燥感が幾重にも重なり合ったからこそ、作品の枠を超えて普遍的なアンセムとして受け入れられました。