真冬の爬虫類飼育における最大の課題は、外気によるケージの急激な冷却です。ガラスやアクリルは熱を伝えやすく、室温が10℃前後に落ち込む環境では、いくら強力なヒーターを稼働させても放熱が追いつきません。
スタイロフォーム(押出発泡ポリスチレン)は、独立した無数の微細な気泡の中に熱伝導率の低いガスを閉じ込めた構造を持っています。一般的な住宅の床下や壁面断熱材として採用されている通り、熱伝導率はおよそ0.028〜0.040 W/(m・K)と極めて低く、外気温の影響を強力にシャットアウトします。
冬場のケージ保温において、素材ごとの性能差を把握することは極めて合理的です。代表的な断熱・保温資材の特性を比較したデータが以下となります。
電気代の観点で見ると、スタイロフォームで囲った温室はヒーターのサーモスタット稼働率を劇的に低下させます。例えば、100Wクラスの暖房器具をサーモスタット制御した場合、未対策ケージでは1日18時間以上通電していたものが、スタイロフォーム温室内では1日6〜8時間程度の通電に短縮されるケースが多く報告されています。1kWhあたり31円換算で試算すると、ケージ1台あたり月間約1,500円〜2,500円の光熱費削減につながり、複数のケージをまとめた温室ではワンシーズンで1万円以上の節約効果を生み出します。