契約結婚を選択するにあたっては、形式的な婚姻がもたらす損得と法的な境界線を正しく理解しておく必要があります。
税制上の配偶者控除や社会保険の扶養、住宅ローンの共同名義取得、遺族年金の受給資格など、法的な夫婦関係から生じる公的メリットは多大です。私生活を干渉し合わない自由な関係を維持しながら、社会的な信用を得られる点も評価されています。
しかし、デメリットと法的リスクを軽視してはなりません。最大の注意点は「偽装結婚(刑法157条:公正証書原本不実記載等罪)」との境界線です。日本法において、婚姻意思とは「実質的な夫婦生活を営む意思」を指します。ビザ取得や不正な税制優遇のみを目的に実態のない婚姻届を提出した場合、懲役5年以下または50万円以下の罰金という刑事罰に問われる違法行為となります。
また、共同生活が破綻した際の離婚交渉が難航し、高額な慰謝料や財産分与を巡る泥沼の裁判に発展するリスクも覚悟しなければなりません。