本作で映画初出演にしてヒロインという大役に抜擢された齋藤飛鳥と、圧倒的な熱量で物語を牽引した山田裕貴。当時、乃木坂46のエースとして絶大な人気を誇っていた齋藤の起用は大きな話題を呼びましたが、現場での2人は役作りに極限まで没入していました。
当時のインタビューやメイキング映像において、山田裕貴は浩介というキャラクターを演じるにあたり、自ら実際に坊主頭になることを志願したと明かしています。「髪を切るシーンをごまかしたくなかった。嘘のない感情で真愛の前に立ちたかった」と語る山田の覚悟は、現場の空気を一変させました。
一方の齋藤飛鳥も、優等生でありながら浩介の幼稚さに惹かれていく真愛の揺らぎを、最小限の表情変化と視線の動きで見事に表現しました。特に注目された新郎とのキスシーンの撮影現場では、山田が新郎役の俳優に対して事前に「本気でいきます」と宣言し、何テイクも魂をぶつけるような激しいキスを敢行。その気迫に満ちた姿を目の当たりにした齋藤は、カットがかかった後、役柄を超えて本物の涙を浮かべていたといいます。
原作小説の著者であり台湾版監督のギデンズ・コーも日本版の完成度を高く評価し、「山田裕貴の眼差しには、自分がかつて抱えていた愚かさと愛おしさが宿っていた」と賛辞を寄せています。