植物用の殺菌剤は大別して、胞子の付着を防ぐ「保護殺菌剤(予防剤)」と、侵入した菌糸を退治する「浸透移行性殺菌剤(治療剤)」に分かれます。トリフミン水和剤の最大の特徴であり、現場の支持を集める理由は、この双方の性能を高い次元で兼ね備えている点にあります。
有効成分である「トリフルミゾール(30.0%含有)」は、EBI剤(エルゴステロール生合成阻害剤・FRACコード3)と呼ばれる系統に分類されます。菌類が生きていくために不可欠な細胞膜の主要構成物質「エルゴステロール」の合成経路をピンポイントで遮断することで、病原菌の生育を根本から停止させます。
特に優れた浸達性(葉の表から裏へ薬液が染み通る性質)を有しているため、散布液が直接かかりにくい葉裏に潜む菌糸にも有効成分が届きます。植物の組織内に侵入して間もない菌糸の進展を食い止め、さらに胞子が新たに作られて飛散する「胞子形成」を強力に阻害します。トリフミン水和剤の効果が「散布した翌週には白いカビが枯れて灰色に変色し、拡大がピタリと止まった」と評価されるのは、この生化学的アプローチによるものです。