すべての始まりは、2013年6月に米カリフォルニア州のサニーランズで開催された米中首脳会談だった。就任間もない中国国家主席の習近平氏が、当時の米大統領バラク・オバマ氏と並んで広大な庭園を歩く一枚のスナップ写真。スーツを脱ぎ、リラックスした表情で並歩する二人の姿は、インターネットユーザーの鋭い着眼点によって瞬く間に再解釈された。
大柄で恰幅の良い習氏を「くまのプーさん」、長身でスリムなオバマ氏を友人の虎「ティガー」に見立てた比較画像がネット上に投稿されると、その絶妙な類似性は世界的な爆笑を誘った。この一枚は悪意のないインターネット・ミームとして瞬く間に地球上を駆け巡り、翌2014年に日本の安倍晋三首相(当時)と握手する姿が「プーさんとロバのイーヨー」に例えられるなど、連鎖的なパロディが相次ぐことになる。
だが、この無邪気なユーモアを、北京の指導部は「健全な親しみ」とは受け取らなかった。むしろ、最高権力者の尊厳を失墜させる組織的な挑発とみなしたのである。