編集部には毎月千件単位の情報が雪崩れ込みますが、実際に記事として結実するのはそのうちわずか1%未満に過ぎません。膨大なゴミ情報の山から記者を本気にさせる文春リークス採用基準とは一体何なのでしょうか。その分水嶺となるのは、「社会通念上の不正・背信性」と「揺るぎない客観的証拠(ファクト)」の2点です。「嫌いな上司を懲らしめてほしい」「性格の悪いあの人を炎上させてほしい」といった私怨丸出しの愚痴は問答無用で破棄されます。
現代の芸能人スキャンダル告発や不倫・パワハラ報道において、突破打となるのはLINE流出証拠提出に代表されるデジタルデータの生々しさです。ただし、単なるチャット画面のスクリーンショットだけでは、偽造アプリによる自作自演を疑われるのが現代のメディア業界です。真に採用を勝ち取る証拠には、次のような厳密さが求められます。
画像キャプチャのトリミングではなく、前後の文脈が分かる長尺の画面録画(画面スクロール動画)や、テキストログの生データ、日時・位置情報が埋め込まれたメタデータ付の写真、さらにはホテルや店舗の領収書実物などが揃って初めて、記者はデスクを説得して調査費用の決済を取り付けることができるのです。