去勢手術後のトラブルで圧倒的に多い原因が、「犬自身が傷口を舐めて糸をほどいてしまう、あるいは傷口を化膿させてしまうこと」です。患部を保護する代表的なアイテムであるエリザベスカラーと術後服には、それぞれメリットとデメリットが存在します。
【エリザベスカラーの特徴とポイント】
物理的に口が患部へ届かないようにする確実性の高い保護具です。プラスチック製の従来型は防御力が高い反面、壁や家具にぶつかる音で愛犬がパニックを起こしたり、食事や給水がしにくくなったりするストレスがあります。最近では、視界を遮らない透明タイプや、首周りの負担を軽減するドーナツ型のクッションカラー、軽量なフェルト製カラーなど、ストレスを緩和する選択肢が充実しています。ただし、体の柔らかい犬種や長身の犬はクッション型をすり抜けて傷口に口が届いてしまう場合があるため、装着後の可動域チェックが必須です。
【術後服(エリザベスウェア)の特徴とポイント】
洋服のように患部を直接覆う術後服は、視界や行動を遮らないため犬の生活ストレスを大幅に軽減できます。普段通りに歩行や睡眠、食事ができる点が大きな強みです。選ぶ際は、男の子専用設計で排泄口が開いており、かつ陰嚢の切開部を完全にカバーできる立体裁断のものを選ばなければなりません。サイズが大きすぎると布の隙間から鼻先を差し込んで舐めてしまい、小さすぎると患部を強く圧迫して擦れの原因になります。伸縮性と通気性に優れた抗菌素材を選び、洗い替え用を含めて2着用意しておくと衛生管理がスムーズです。