邪馬台国の最有力候補地とされる奈良盆地。そこで現在進行形の「箸墓古墳調査プロジェクト」と奈良県立橿原考古学研究所による共同研究が、考古学界にさらなる波紋を広げている。同研究所が保管する未公開のデジタル計測データは、鏡の同笵関係(同じ型から作られた兄弟鏡)の広がりをかつてない精度で立証した。
箸墓古墳周辺から出土した鏡の3Dスキャン解析により、同型の鏡が九州から関東に至る広域な首長墓へ配給されていたルートが明晰に浮かび上がった。これは単なる交易の品ではない。大和を中心とする政治連合が、権力の象徴として鏡を地方首長へと分け与えた動かぬ証拠である。