この言葉を世界中に爆発的に普及させた最大の功労者は、スウェーデンが生んだ伝説的ポップグループである。1975年にリリースされた楽曲『Mamma Mia』は、軽快なマリンバのイントロとキャッチーなメロディで世界各国のチャートを席巻した。ABBAはこのイタリアの日常表現を、恋に振り回される切ない感情の叫びとして楽曲の見事なタイトルへと昇華させた。
「もう一度あなたに引っかかってしまった、なんてことだ」という歌詞のニュアンスは、まさに言葉本来が持つ惑いと情熱を見事に捉えている。北欧の洗練されたポップセンスと南欧の熱量溢れる言葉の出会い。この化学反応こそが、フレーズそのものを世界共通の言語へと変貌させた決定的な分岐点だった。