金山エリアは名古屋市内でも有数の過密商圏だ。JR、名鉄、地下鉄が交差する立地ゆえ、利用者の属性は極めて幅広い。単身のビジネスパーソンから近隣のファミリー層、さらには乗り換えの合間に立ち寄るシニアまで、求めるものはバラバラだ。
現場を歩くと、今回のテナント改装がそうした複雑なニーズを巧みに切り分けていることがわかる。中層階のライフスタイル雑貨やヘルス&ビューティー売り場は通路幅が再設計され、目的買いの客が最短距離でレジへ到達できるよう動線が最適化された。一方で、地元名古屋の銘品や話題のスイーツを揃えたポップアップスペースが新設されるなど、思わず足を止めてしまう仕掛けも随所に光る。
運営を担うイオンリテール株式会社の担当者が現場で徹底したのは、徹底的な顧客行動のトラッキングだ。滞留時間が長いエリアと通過速度が速い通路を冷徹に見極め、陳列の高さやPOPの角度に至るまでミリ単位の修正が加えられた。駅前立地特有のタイトなスケジュール感で動く買い物客にとって、この数秒単位のストレス軽減は極めて大きい。