特殊な技能を要するガット船の船内環境と待遇は、求職者や業界関係者の間で常に高い関心を集めています。国土交通省の船員統計および主要オペレーター各社の採用動向を検証すると、陸上の建設重機オペレーターや一般運送業を大きく上回る給与体系が確認できます。
ガット船員の給料と年収の実態は、担当する職務によって明確に分かれます。船体とクレーンの双方を熟知するベテランクレーン手(ガット手)や船長クラスになると、年収650万円〜850万円、手当や時間外給与を含めると900万円前後に達するケースも珍しくありません。20代〜30代の若手甲板員・機関員であっても、基本給に「乗船手当」「荷役手当」「職務手当」が加算されるため、初年度から400万円〜550万円の収入水準が確保される業界構造です。
高待遇の背景には、操作に求められる高度な専門性と、ガット船に必要な免許資格のハードルの高さがあります。
- 海技士資格(航海または機関):内航船として航行するため、船の大きさに応じた4級・5級・6級海技士以上の免状が必須となります。
- 揚貨装置運転士免許:船上クレーンを操縦するための国家免許。制限荷重5トン以上の船上揚貨装置を扱うガット手には不可欠な資格です。
- 玉掛け技能講習修了証:ワイヤーロープの点検や吊り具の安全確保など、日常的な荷役作業の現場監督を担うために求められます。
海事系掲示板やSNS上に寄せられた現役船員の証言では、「波で船体が揺れるなか、陸上のホッパーやダンプの荷台へ寸分の狂いもなく土砂を落とし込む感覚は、もはや職人芸の世界」「拘束時間は長いが、食事代や居住費が船内生活で浮くため、手元に残る貯蓄スピードは陸上勤務とは比較にならない」といった率直な声が目立ちます。過酷な海上勤務と引き換えに、実力次第で高収入を掴み取れる現場と言えます。