今井信女の初登場は、エリート警察組織「見廻組」の副長という立場でした。しかし、その正体は幕府の影で暗殺を担ってきた天照院奈落における最高戦力「奈落三羽」の一人、“骸(むくろ)”です。幼少期から感情を奪われ、殺人術のみを叩き込まれて育った彼女は、歴代の奈落構成員の中でも突出した殺人マシーンとして恐れられていました。
彼女の運命を狂わせたのは、江戸の治安を揺るがした「佐々木異三郎の妻子惨殺事件」でした。天導衆の命令により佐々木邸を襲撃した刺客部隊の中に骸も存在していましたが、彼女は佐々木の妻・冴子とお腹の赤子を守ろうと必死に戦いました。しかし非情にも凶刃を防ぎきることはできず、親子の命を救えなかった深い悔恨を心に刻むことになります。
事件後、全てを失い復讐者と化した佐々木異三郎に「復讐の相手として自分を殺す機会を与える」ため、骸は見廻組へ身を寄せました。この時、佐々木が亡き娘に名付けるはずだった「信女(のぶめ)」という名を授かり、一人の人間としての新たな人生が始まったのです。