大手掲示板やSNS、知恵袋などのコミュニティでは、「年収1000万円なのに貯金が全くできない」「月末になると口座残高がギリギリ」という嘆きが日常的に投稿されています。「1000万円も稼いでおいて甘えだ」と批判されることも少なくありませんが、都市部で家庭を持つ当事者にとっては切実な現実です。
大手メディアの取材手記や家計調査のデータを検証すると、特に首都圏に暮らすファミリー層において家計の歪みが顕著に現れています。30代後半・IT企業勤務で年収1000万円の男性(既婚・子ども2人)の手記には、次のような生々しい告白が綴られています。
「額面1000万に届いた瞬間は達成感がありましたが、毎月の手取りは約45万円。都内のファミリー向けマンションの住宅ローンが月18万円、管理費と修繕積立金で4万円。子どもの中学受験塾に2人で月8万円。食費と光熱費で10万円。残る5万円から日用品や通信費を払えば、毎月の貯金はほぼゼロです。ボーナスから年払いの保険や固定資産税を払うと、年間で貯まるのは数十万円程度。贅沢な外食などほとんどしていません」
ここで問題となるのが年収1000万円の家賃適正相場です。一般的なファイナンシャルプランニングにおいて、住居費の適正基準は「手取り月収の20〜25%」とされています。年収1000万円の独身であれば手取り月収約44万円に対して家賃10万〜11万円台が安全圏ですが、都心の賃料高騰により15万円以上の物件に住むケースが後を絶ちません。既婚家庭であれば家賃適正額は12万〜15万円ですが、都心通勤圏で3LDKを求めると20万〜25万円に跳ね上がります。住居費が手取りの30〜40%を占めた時点で、家計破綻のリスクが一気に跳ね上がります。