ネイルの世界で単に「スカルプ」と呼ばれる技術の正式名称は、英語の「Sculpture(彫刻)」に由来するスカルプチュアネイルです。爪の上に直接素材を盛り、彫刻のように形を作り上げていくことからその名が付けられました。最大の特徴は、自爪の長さに縛られず、ミリ単位で理想のフォルムと長さを人工的に形成できる点にあります。
基本となるアクリルスカルプチュアは、主成分であるメタクリル酸エステル重合体の粉末(アクリルパウダー)と、専用の液体(リキッド・モノマー液)を筆先で反応させて作ります。このときに生じる化学反応で作られる半固形物を「ミクスチュア」と呼び、これを自爪の先端に装着した専用の台紙(ネイルフォーム)の上へ手際よく広げ、数分で常温重合させて硬化させます。
もともとこの技術は、歯科材料(レジン補綴物)の修復技術が転用されてアメリカで発展した歴史を持っています。そのため、硬度と耐久性が極めて高く、単なるファッションとしての爪の長さ出しにとどまらず、重度の深爪・噛み爪の保護や、割れやすい爪の強度補強といった医療的・補正的な目的でも現場ネイリストたちに重用されています。