一般的なアイスクリームを口に含んだとき、ふんわりと柔らかくとろける感触を誰もが知っています。これに対し、冷凍庫から出したばかりのあずきバーは歯を立てることすら拒むほどの剛性を誇ります。一般的なアイスが固い理由の多くは温度管理に起因しますが、あずきバーが他製品と一線を画す理由は、井村屋独自の根本的な製造方針にあります。
あずきバーが硬い理由の第一は、あずきバーの原材料が無添加である点です。原材料表示を見れば一目瞭然ですが、使われているのは「小豆、砂糖、水飴、食塩」のみ。一般的なアイスに使われる乳化剤や安定剤(増粘多糖類など)を一切使用していません。化学的な添加物で氷の結晶成長を阻害しないため、純粋な水分がそのまま強固な氷の結晶へと凝固します。
第二の要因は「空気含有量(オーバーラン)」の極端な低さです。通常のアイスクリームは口当たりを滑らかにするため、60〜100%程度の空気を含ませて凍結させます。しかし、あずきバーは小豆本来の食感と風味をぎっしり凝縮させるため、空気をほとんど抱き込ませない製法を採用しています。その空気量はほぼ0%に近く、気泡のクッションが存在しない完全な高密度固体塊となるのです。
第三に、水分比率の高さが挙げられます。1本(65ml)あたりに約100粒もの小豆を惜しみなく詰め込みつつ、残りの液体部分は小豆を炊いた純粋な煮汁と糖分のみ。乳固形分や乳脂肪分を一切含まないため、油脂分による柔らかさが皆無で、限りなく「天然氷の塊」に近い物理特性を生み出しています。