現在でこそ重厚な役柄からコミカルなキャラクターまで変幻自在に演じ分ける名優ですが、上川隆也の若い頃のイケメンぶりは、当時のエンタメ界に凄まじい衝撃を与えました。特にネット上で定期的にバズを生んでいるのが、1995年に放送されたNHK放送70周年記念日中共同制作ドラマ『大地の子』出演時のビジュアルです。
当時、映像作品の経験がほぼ皆無に等しかった30歳の上川隆也が演じたのは、中国残留孤児として過酷な運命に翻弄されながらも気高く生きる主人公・陸一心(松本勝男)。彫りの深い端正な顔立ち、泥や埃にまみれても失われない澄んだ瞳、そして悲劇に耐え忍ぶ儚げな表情は、視聴者の心を鷲掴みにしました。当時の特番インタビューや制作陣の手記によると、原作者の山崎豊子氏はキャスティング難航の末、劇団の舞台ビデオに映る上川隆也の鋭くも透明感のある瞳を見た瞬間に「この無名の青年こそが陸一心だ」と即決したと語られています。
さらに遡れば、上川隆也の原点である劇団キャラメルボックス時代のお宝写真や舞台映像もファンの間では語り草です。1989年に入団してから看板俳優として疾走していた20代の頃は、切れ長の瞳に引き締まったフェイスライン、風になびく黒髪が爽やかな「正統派の青年美男子」そのものでした。劇場に足を運んでいた当時の観客からは、「舞台に現れた瞬間に空気が変わるほどの美貌だった」「生で見ると発光しているかのような華があった」という熱烈な証言が今なお寄せられています。