ネット上の簡易メイキングなどで頻繁に見られる「手を合わせるポーズは、片手を描いて反転コピペすれば完成する」というテクニック。実はこれこそが、見る人に決定的な不気味さを植え付ける最大の元凶です。
手鏡を使って自身の合掌を斜めや横から観察すれば一目瞭然ですが、左右対称に見えるのは「真正面からアイレベル(視線の高さ)を完全に手の中央に合わせて見た瞬間」だけです。わずかでもカメラアングルが斜め(フカンやアオリ、ナナメ45度)に回れば、遠近法(パース)によって奥の手は小さく見え、手前の指の影に隠れます。反転コピペで作られた合掌は、遠近法の消失点が破綻し、だまし絵のような平坦な歪みを生み出してしまいます。
また、仏教における伝統的な合掌(堅実心合掌)と、日常的な「いただきます」のポーズでは、指の密着度合いに関する思想そのものが異なります。儀礼的な合掌では十本の指を寸分の隙もなく揃えることが作法とされますが、一般的な日常シーンでそれをやると「生真面目すぎて硬い」「ロボットのようだ」という印象になりがちです。キャラクターの性格に合わせて、わざと小指を少し浮かせたり、親指をリラックスさせて開いたりする「崩し」を入れることこそが、生きた人間味を生む秘訣です。