展示の中核をなすのは、驚異的な精密さを持つ昆虫生態学の世界だ。超拡大された昆虫の複眼レンズを通して世界を見渡す体験や、飛行メカニズムを航空力学の観点から解析するシミュレーターなど、知的好奇心を刺激する仕掛けが連続する。
既存の体験型科学館が陥りがちな「一度見たら満足する」という罠を、同館は見事に回避している。季節ごとに変化するフィールドワークや、日々アップデートされる実験メニューによって、訪れるたびに異なる知的発見が待っている。科学を抽象的な数式としてではなく、手触りのある現象として捉え直す工夫が随所に散りばめられているのだ。