悪堕ちジャンルの中でも、特にファンの熱狂度が高いのがヒロインや魔法少女の闇堕ちです。清純・無垢の象徴である女性キャラクターが闇に染まるシチュエーションは、ビジュアルと内面の両面で鮮烈な美学を放ちます。
最大の特徴は、「黒化」によるビジュアルの変貌です。『Fate/stay night』の間桐桜(セイバーオルタ)に代表されるように、白やパステルカラー基調の衣装が漆黒や深紅のドレスへと変貌し、瞳のハイライトが消える演出は、記号的なエロティシズムと威厳を同時に生み出します。
普段は控えめで献身的なヒロインが、悪堕ちを契機にドSで冷徹な女王様気質へ豹変するギャップもファンの心を掴んで離しません。内面に押し殺していた嫉妬、独占欲、主人公への歪んだ愛情が暴走する姿は、生身の感情の爆発として強烈な魅力を放ちます。深夜アニメからホビーアニメに至るまで、ヒロインの悪堕ち回が伝説の神回として語り継がれる理由はここにあります。