「ガラスは経年劣化しない」と考えられがちですが、強化ガラス構造物としての機能には事実上の耐用年数が存在します。ガラスそのものの化学的安定性は高いものの、フレームの歪み、蝶番金具の緩み、パッキンの硬化、そして何より表面に刻まれた微小な傷(クラック)が時間の経過とともに耐性を著しく奪っていきます。
住宅設備や家具における強化ガラスの寿命は、使用環境にもよるもののおよそ10年から15年が一つの点検・交換の目安です。日常的に次のような兆候が見られる場合は、すでに限界点に近づいているサインと判断できます。
- ガラスの角や端部に小さな欠け(チッピング)が生じている
- 金属たわしや研磨剤入り洗剤による無数の擦り傷が白っぽく浮き出ている
- ドアの開閉時にきしみ音があり、フレームにガラスが接触している
- ガラス表面に爪が引っかかるような微小なひび割れが走っている
圧縮応力層の深さはガラス厚の約10〜15%程度しかありません。金属製品の接触や硬い砂粒の噛み込みによってその層を貫通する傷がついた瞬間、内部の引張応力層に刺激が伝わり、ある日突然の破損へと結びつきます。