「前日から電源を切って説明書通りに水抜きを行ったのに、蒸発皿に一滴も水が出てこない」というトラブル相談がネット上で頻発しています。これにより「水抜きに失敗したのではないか」「故障しているのではないか」と不安になるユーザーが後を絶ちません。
しかし、冷蔵庫の水抜きで水が出ない原因の約8割は、現代の冷蔵庫が採用している「ファン式(間接冷却方式・自動霜取り機能)」の構造的特性にあります。近年のファミリー向け大型冷蔵庫は、コンプレッサーの稼働熱を利用して霜取り水をリアルタイムで気化・蒸発させるシステムが極めて高度に設計されています。そのため、日頃から霜がほとんど蓄積しておらず、電源を切っても蒸発皿に溜まる水が極めて微量、あるいはすでに乾いているケースが多いのです。
一方で、警戒すべきは「霜が内部でまだ凍りついたままで、溶け水がドレン口(排水経路)まで到達していない状態」です。時間が足りない状態で「水が出ないから完了した」と早合点して運搬を開始すると、トラックの揺れと温度上昇によって移動中に一気に氷が溶け出し、大惨事を招くことになります。