薬物犯罪の捜査において、常にしのぎを削る二大巨頭が存在する。通称「マトリ」と呼ばれる厚生労働省麻薬取締部と、警察組織の精鋭部隊である警視庁組織犯罪対策部だ。彼らがターゲットを絞り込む際、著名人の動向は常に厳重な監視下に置かれている。派手な交友関係、特定のクラブやバーへの出入り、さらには密告情報など、あらゆる端緒から内偵捜査がスタートする。
捜査員は数カ月から数年にわたり対象者を追尾し、ゴミの収集や交友ルートの洗い出しを徹底して行う。確実に証拠を掴む「ガサ入れ(家宅捜索)」のタイミングは、まさに電光石火だ。世間が寝静まった早朝や、容疑者が完全に油断している帰宅直後を狙って踏み込む。法改正を経てもなお、大麻取締法違反の容疑による身柄拘束は後を絶たず、捜査機関の包囲網は日増しに狭まっている。