ネット上の掲示板や知恵袋、SNSの検索欄では、定期的に「おそろっちって死語?」「大人が使うと痛い?」といった疑問が投稿されます。トレンドの消費スピードが極めて速いデジタル空間において、平成カルチャー由来の言葉に対して一定の警戒感が働くのは自然な反応と言えます。
しかし、大手リサーチ会社が実施した若年層のコミュニケーション調査やSNSの投稿動向を分析すると、実態は「死語化」とは正反対の様相を呈しています。Instagramの投稿件数は継続して高水準を維持し、TikTokやショート動画のキャプションでも「今日はおそろっち」「久々の現場おそろっちで参戦」といったフレーズが日常的に飛び交っています。
現場の大学生や専門学校生にヒアリング取材を行うと、次のような生の証言が返ってきました。
「改まって『私たちペアルックです』と言うのは気恥ずかしいけれど、『おそろっち』なら冗談めかしてSNSに上げられる。照れ隠しのクッションとしてちょうどいい距離感なんです」(21歳・大学3年生)
つまり、死語になるどころか、「真面目にアピールすると重たく見えがちな関係性」を適度に脱力させ、ポップに見せるための記号としてスマートに再解釈されています。