古峠が完全に通行止めとなり、廃道へと追いやられた決定打は度重なる自然災害と莫大な復旧コストにあります。
山間部に切り拓かれた旧道は、現代の土木基準から見れば極めて脆弱な斜面に位置しています。豪雨や豪雪による路肩の崩落、土砂崩れ、大規模な倒木が一度発生すると、迂回路である新道が存在する以上、自治体が多額の予算を投じて旧道を復旧する合理的理由は失われてしまいます。
こうした経緯から、危険防止のためにゲートやバリケードが設置され、公道としての供用が廃止される「実質的な廃道化」が進みました。物理的な寸断だけでなく、法的な管理放棄が重なったことが、現在見られる荒廃した景観を作り出した主因です。