室内飼育を検討する際、抜け毛や体臭のレベルは極めて重要な判断基準です。ヨークシャーテリアは、下毛のない「シングルコート」と呼ばれる被毛構造を持っています。そのため、ヨークシャーテリアの抜け毛は柴犬やチワワなどのダブルコート犬種に比べて圧倒的に少なく、衣服や家具に毛が大量に付着するストレスはほとんどありません。アレルギーを気にする家庭にも比較的受け入れられやすい特徴を持っています。
しかし、抜け毛が少ないことと「手入れが不要であること」は同義ではありません。人間の髪の毛のように一生伸び続ける細く柔らかいシルキーコートは、放置するとあっという間にフェルト状の毛玉を形成します。毛玉は皮膚を引っ張って痛みを引き起こすだけでなく、通気性を悪化させて皮膚炎の温床となります。
また、ヨークシャーテリアの臭いの原因として現場で頻繁に指摘されるのが、皮脂の酸化と耳や口内のトラブルです。ヨークシャーテリアは皮膚のターンオーバーに伴い皮脂分泌が活発になりやすい傾向があり、定期的なシャンプーを怠ると特有の油っぽい体臭が発生します。垂れ耳個体の外耳炎や、超小型犬に多発する歯周病も強い悪臭の発生源となるため、毎日のブラッシングとデンタルケアが不可欠です。ヨークシャーテリアのトリミング頻度は、被毛と皮膚の健康を維持するために3週間〜1ヶ月に1回が標準的な目安となります。