インターネット上の掲示板やSNSでは、マイボーム腺の詰まりやまぶたの白い粒に関して、医学的に極めて危険な民間療法が散見されます。最も警戒すべきは、「まぶたの白い粒を針や爪で潰して出した」という体験談の模倣です。
まぶたの縁は非常に薄く、無数の毛細血管と神経が走行しています。素人がピンセットや針を用いて自己処置を行うと、角膜を深く傷つけて視力障害を引き起こす恐れがあるだけでなく、傷口から細菌が侵入して重篤な蜂巣炎や眼瞼膿瘍を誘発するリスクが極めて高くなります。また、機械的な刺激によってマイボーム腺の開口部が瘢痕化(ケロイド化)し、二度と脂が分泌されない閉塞孔へと変化してしまう危険すらあります。
また、「清涼感の強い市販目薬を頻繁に差せば詰まりがスッキリする」という認識も完全な誤解です。爽快感をもたらすメントール成分は一時的な感覚刺激に過ぎず、含まれる防腐剤(塩化ベンザルコニウムなど)が角膜上皮を傷つけ、かえって涙の安定性を損なうケースが後を絶ちません。脂の詰まりを液体の点眼で洗い流すことは構造上不可能であることを正しく認識する必要があります。