ネット上のレシピや口コミを見ていると、一般的なじゃがいも料理の常識をそのまま新じゃがいもに当てはめてしまい、かえってクオリティを落としているケースが散見されます。調査報道の視点から、見落とされがちな調理上の盲点と誤解を是正します。
第1の誤解は、「切った後にしっかり水にさらしてでんぷんを洗い落とすべき」という言説です。通常のフライドポテト作りでは、表面の糖や遊離でんぷんを洗い流すことで焦げ付きを防ぎます。しかし、皮付きのまま揚げる新じゃがいもの素揚げにおいて過度な水晒しは逆効果となります。せっかくの繊細な風味成分が水中に流出し、切断面の水分過多を招いて油跳ねの原因になるからです。土汚れをタワシで優しく洗い流した後は、切断面も含めて水にさらさず、清潔な布巾で表面の水滴を1滴残らず拭き取ることこそがプロの鉄則です。
第2の盲点は、「皮が緑色に変色した個体や発芽部分の危険性」に対する認識の甘さです。新じゃがいもは皮が薄く日光を透過しやすいため、店頭の照明や日光に当たると短期間で表面が緑化(葉緑素の生成)します。この際、同時に天然毒素であるソラニンやチャコニンといったグリコアルカロイドが生成されます。通常のじゃがいもに比べて芽が出にくい新じゃがいもであっても、皮の表面が緑色を帯びている部分や微小な芽の基部は、包丁の刃元やピーラーで確実に深くえぐり取らなければなりません。素揚げの加熱温度(160℃〜180℃)ではこれらの毒素は完全に分解されないため、安全管理は仕込み段階で徹底することが不可欠です。