物語の起点となるのは、高校2年生の黒田希美が靴箱ではなく「移動教室の机の引き出し」で見つけた「好きだ」と書かれた一通の手紙。送り主は学校一のモテ男子・瀬戸山潤でした。しかし、この手紙の本来の宛先は、希美の親友であり元生徒会長の松本江里乃だったという残酷な勘違いから歯車が狂い始めます。
本当のことを言い出せないまま、希美は江里乃のふりをして交換日記を続けていきます。日記を通じて言葉を交わすうち、周囲の顔色ばかり窺って本音を言えない希美と、不器用ながら常に本音でぶつかる瀬戸山は、互いの内面に惹かれ合っていきます。
クライマックスで明かされる決定的な真相は、「瀬戸山は途中で日記の相手が江里乃ではなく希美であると気付いていながら、それでも希美との対話を望んでいた」という点です。希美が罪悪感に苛まれながらついに嘘を告白した際、瀬戸山が返したのは拒絶ではなく、不器用な彼女のありのままの言葉に救われていたという感謝と、希美自身に対する真っ直ぐな告白でした。すれ違いの痛みを乗り越え、本当の自分をさらけ出した二人が迎えるラストは、単なる恋愛成就にとどまらない深い感動を呼んでいます。