防刃ベスト自体は衣服の一種であり、購入や所持そのものが銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)によって直接禁止されているわけではない。だが、これを一般市民が日常的に街中で着用して歩く行為には、法的なグレーゾーンと社会的摩擦がつきまとう。
日本の現行法において、催涙スプレーや特殊警棒などの護身用品を「正当な理由」なく隠し持つ行為は、軽犯罪法違反に問われる可能性がある。防刃チョッキの着用自体は処罰対象になりにくいものの、衣服の下に重装備を隠し持ち、不自然な挙動を見せていれば、警察官による職務質問の対象となるのは避けられない。過剰な自衛行動が周囲に不要な恐怖心を与えたり、現場の混乱を招くリスクも孕んでいる。防犯意識の高さが、時として法的なトラブルや社会的な不利益を引き起こす皮肉な現実が存在する。