多くのファンに深い衝撃を与えたのが、2020年6月に発表されたフェアリーズの活動停止でした。井上理香子、野元空、林田真尋の3名が事務所との契約を終了したことに伴い、グループは事実上の解散状態へと突入。伊藤萌々香と下村実生のみが残留する形となりましたが、その後、伊藤自身も所属していたライジングプロダクションを離れる決断を下します。
当時のインタビューや関係者の証言を総合すると、この事務所退所の根底にあったのは、グループという守られた殻からの脱却と、自らの足で立つ表現者への脱皮でした。幼少期から所属事務所の強いディレクションのもとで育った彼女にとって、長年培った基礎体力を武器に、大海原へ打って出ることはキャリアの自立に向けた必然のステップだったといえます。
当時の特番インタビューや発言のニュアンスを読み解くと、グループへの深い愛着と同時に、「自分自身の表現をどこまで突き詰められるか試したい」という強い渇望が見え隠れしていました。活動停止という痛みを伴う変化を単なる終焉に終わらせず、個の表現力を研ぎ澄ます契機へと昇華させた点に、彼女の精神的成熟が示されています。